西知多クリーンセンターとは

西知多クリーンセンターは、東海市および知多市で出るごみを、環境に優しく安全に処理するための施設として、令和6年7月に供用開始されました。

こちらの施設では、私たちの毎日の暮らしの中から排出される「もえるごみ」「もえないごみ」がどのように処理されているのかを詳しく学べる見学コースが設けられています。これまでも東海市や知多市内のたくさんの小学生がごみ問題を学ぶ授業で施設見学に訪れています。クレーンゲームなどでごみ処理を体験できるブースもあり、施設の働きを楽しく理解できる工夫が盛りだくさん!

西知多クリーンセンターの魅力にせまってみましょう。

一日で処理できるごみの量

西知多クリーンセンターには、東海市・知多市で出るごみを1日で集めるため、1台につき2~4トンのごみを運ぶ収集車が約100台やってきます。

ごみ焼却施設は2炉あり、1炉につき約92.5トン、合わせて185トンものごみを1日で処理できる機能をそなえています。また、施設は年始の点検日以外の350日、稼働し続けています。

もえるごみの処理の流れ

【①ごみを集める】ごみを集める入口となる「プラットフォーム」では、市民の方が持ち込んだごみやごみ収集車で回収されたごみがそれぞれ1階と2階に分かれて集まります。ごみ収集車で運ばれたごみをおろす際は、エアーカーテンの効果で臭いが外へ出ていかない工夫もされています。

【②ごみを溜める】もえるごみは、プラットフォームから「ごみピット」という深さ19mの大きなスペースに投入されます。ごみピットに1度に貯められるごみの量は、25mプールの約18杯分。

【③ごみを混ぜる】ごみピットでは、ごみが焼却炉の中で上手くもえるように、ごみクレーンでかき混ぜて「もえやすいごみ」と「もえにくいごみ」を均一化しています。また、布団など大きなごみは切断してから処理されています。

【④ごみを移動させる】ごみクレーンでつかんだごみを、「ごみ投入ホッパ」に投入させます。投入されたごみは一定量ずつ焼却炉に送られます。操作はごみクレーン操作室から行われます。クレーンが1度に持ち上げるごみの重さは約2トン。カバ1頭分の重さです。また、ごみクレーンは故障に備えて2台用意されています。

安全に対する備えも整っています。ごみクレーンは定期的に点検され、月次・年次のほかに、1日ごと・1週間ごと・半年ごとに行う点検がそれぞれあります。また万が一に備えて、ごみピットで火災が発生した場合、自動火災検知装置が早急に検知し、ピット内に設置されている2台の放水銃が自動で消火する仕組みとなっています。

【⑤ごみをもやす】焼却炉に送られたごみは850℃以上でゆっくりもやし、有害物質を消しています。「ストーカ」と呼ばれる火格子を階段状に並べた燃焼装置で、ごみを効率良く空気と触れさせながら安定した働きで、もやしていきます。

【⑥蒸気をつくる】焼却時に出る排ガスをボイラで850℃から170℃程度に冷やし、安全に処理できる温度まで冷まします。同時に冷却時の熱を利用して、蒸気を発生させます。その蒸気を利用して、「蒸気タービン発電機」で電気をつくるのです。蒸気タービンで使用した蒸気は、「蒸気復水器」と呼ばれる巨大なファンで風を送って冷やし、水に戻します。その水は再度、ボイラで蒸気を作り出す水として利用します。

【⑦電気をつくる】「蒸気タービン発電機」では、蒸気の力でタービンを回転させて電気をつくります。1日の最大発電量は、約125,000kWh。一般家庭の1日の電気使用量で考えると、約10,000世帯分にあたるそうです。ここで作られた電気は、再び施設内で使用し、余った電力は売却されています。

【⑧排ガスをきれいに】「ろ過式集じん器」の中には、1基につき、「ろ布」というフィルター(直径16.5㎝、長さ8m)が180本設置されています。このフィルターを通して、焼却時に発生する排ガスに含まれる有害物質を取り除きます。また薬剤を使って酸性ガスや水銀等も除去します。また、もやした後に残る灰も再資源化しています。

【⑨きれいな排ガスを外に出す】「脱硝反応塔」では、ごみをもやすことで発生する排ガスの中の窒素酸化物に、アンモニアを吹きかけて反応させることで、排ガスを窒素と水に分解し無害化する役割をになっています。

もえないごみ・粗大ごみの処理の流れ

【①細かく砕く】「貯蓄ピット」に集められたごみは、「供給コンベヤ」「低速回転式破砕機」に送られます。そこで2本の回転する刃で大まかな大きさに砕かれます。さらに「高速回転式破砕機」の中で、高速で回転するハンマーでさらに細かく砕かれ、15㎝以下のサイズになります。

【②電磁力で鉄を取り出す】細かく砕かれたごみは、「磁力選別機」の中で強力な電磁石の力を利用して、鉄を選別します。

【③磁石の力でアルミを取り出す】その次の工程では、「アルミ選別機」にかけられ、ごみを高速で回転する磁石に近づけることで、アルミと回転する磁石の間に反発する力がうまれ、アルミを選別する仕組みになっています。分別された鉄とアルミは、それぞれ再資源化されていきます。

中央制御室の役割

ごみを安全に処理するため、24時間体制で常に3人のスタッフが中央制御室内で異常がないかを確認しています。例えば、排ガスエラーが出た場合は、空気や灯油を入れてさらに850℃以上にもやしてダイオキシンを発生させない等の操作もしています。また遠隔監視センターでも365日運転状況を把握し、安全運転をサポートしています。

災害に強い施設

災害時でもごみ処理を継続できるように、地盤や建物の耐震補強もほどこされています。また災害による停電でも稼働し続けられるように、非常用発電機もそなえつけられています。

施設内見学

まず研修室で、西知多クリーンセンターを紹介する映像を観てごみが処理される流れを学びます。その後、見学コースで様々な設備の動きを実際に確認します。また、カメラ映像では焼却炉や破砕機の様子も見ることができます。

見学コース内にはゲーム感覚で、施設の働きがさらに理解できるコーナーも設けられています。ごみクレーンチャレンジや、自転車発電機コーナー、自分たちの街のごみの収集から処理までの流れが分かるジオラマなど、見所はもりだくさん。クイズゲームで見学コースのふりかえりもできます。

また、学校見学の内容によっては、研修室で理解度を競うタブレット対戦も開催されるそうです。

敷地内にはビオトープも設置されています。

環境に優しい施設

西知多クリーンセンターは、「地球環境を守りながら、ごみを安全に処理する」ための施設です。

施設見学を通して分かることは、「クリーンセンターに集まり、処理されるものは全て資源化されている」ということ。また私たちの生活を維持するために、たくさんのスタッフが365日休むことなく仕事にたずさわっていることが分かります。

私たちにできること 3R:スリーアール

毎日の生活から生み出されるたくさんのごみ。ごみを処理するためには、たくさんの費用とエネルギーを消費します。また、ごみをもやすとごみの中の炭素が空気中の酸素と結びつき、「地球温暖化」の原因となる二酸化炭素が発生します。二酸化炭素は特に影響の大きい、温室効果ガスのひとつです。

「地球温暖化」が原因で、毎年大雨による災害がおきたり、猛暑が続いて熱中症にかかる人が増えたり、食物が育たないことも増えてきます。これ以上環境に負荷をかけないために、みんなができることは「3R(スリーアール)」を心がけて生活することです。

3Rとは、

・リデュース(ごみになるものを生み出さない)

・リユース(繰り返し使う、長く大切に使う)

・リサイクル(資源として再び使用する)の3つの頭文字「R」をとったもの。

例えば、買い物にマイバッグを持っていったり、洋服を長く着たり。自分の生活の中でどんな3Rアクションが無理なく続けられるか、一度考えてみましょう。資源はリサイクルし、ごみをできるだけ減らすように心がけて、「環境に優しいまちづくり」に参加してみましょう。

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