2023年7月8日㈯東海市立市民活動センターにて、3Rお片付けセミナーを開催致しました。3年目となる今回のテーマは、「リデュースでモノを増やさない!~3Rで創る快適な暮らし」。

“リデュースとは”、不要となるモノをそもそも手に入れないこと。在庫を増やさず、必要なモノだけを整理しながら大切に使える仕組みづくりについて学びました。

講師 RE-CREATE SYSTEM.(リクリエイトシステム)代表 成田宮子さん
片付けを通して、空間を最適に整え、時間と利益を生み出す整理事業“リクリエイトシステム”を立ち上げ、個人宅・スモールオフィスの片付け及び生前整理に取り組んでいる。セミナー等による啓蒙活動でも活躍中。

リデュースとは

私たちの生活は環境に大きな負荷をかけながら営まれているのが現状です。住まいの片付け問題においても3Rを前提に取り組むことが重要です。「家の中は身体と同じく、『入れる』『出す』のバランスを整えることが大切です」と成田さんは言います。必要以上にモノを入れることで、住まいは不調をきたします。リデュースを意識することが、お片付けに取り組むための第一歩と言えるでしょう。

在庫を抱えにくい部屋別の収納術

リデュースを継続させるためには、日々の暮らしの中に在庫を抱えにくい仕組みを取り入れる必要があります。学んだその日に実践できる、部屋別の具体的な収納術を教えていただきました。まずは『個人エリア』『共有エリア』のゾーン分け。それぞれのエリアで、大量にあふれるモノをどのように扱うのか、判断基準を知ることからスタート!

【個人エリア】家族それぞれが大量に持つものと言えば『洋服』です。洋服は『その時の自分を演出する道具』である、と心得ます。自分にとって使いにくい道具は、使用頻度も少なくなり、しまい込んでしまうこともあります。洋服も同様と捉えましょう。

*3Rポイント① 自分にとって使いやすいものかどうかを基準にすることで、無駄買いを減らすことができる

基準を決めたら、次は維持する収納術。セミナーでは、在庫や不要なモノを識別しやすいハンガーの使い方や収納棚など、オススメのグッズも多数紹介されました。

効果的な収納ができたら、次は手放すタイミングや手放し先についても考えておきましょう。予め決めておくことで、旬のうちにリユースすることができたり、リサイクルもストレスなく行え、資源として有効活用しやすくなります。

*3Rポイント② 手放すタイミングや手放し先を意識して、スムーズにリユース・リサイクル!

【共有エリア】生活用品をしまうことの多い、押し入れや納戸。「モノであふれる、片付かない家庭は、ここを死蔵エリアにしているケースがほとんどです。」成田さんが日々お片付けの現場で直面する、多くの事例を写真で紹介してくれました。

*3Rポイント③ 死蔵品で埋めつくされている押し入れ・納戸を、モノが循環できるストックエリアや資源エリアに変身させる!

食品や生活用品のストックエリアとして活用する場合は、「在庫はここに入るだけ」などのルールを設けるとより効果的です。見えないことで不安にかられ、在庫があるのにまた買い足してしまう…そんな問題も可視化で解決されます。

資源エリアとしての活用は、昨年も紹介した「3R宅内資源ステーション」のコーナー作り。リサイクルできる資源をストックする専用スペースです。

昨年のセミナーにも参加された皆さんの中では、かなり浸透している様子。家族全員で不用品を資源として活用する意識を共有できる上に、東海市リサイクルセンター内にある資源常設場等へ、まとめて持ち込む際にも、とても便利です。

家中にあふれる紙類・雑紙処分のタイミング

お片付けで扱うのに苦労するのが、家中にあふれる紙類です。一度にまとめて取りかかろうとすると、あまりの量の多さや種類の複雑さに気持ちが疲れ、少しも片付かないまま「いつかそのうちに」と、再び眠らせてしまうことになりかねません。

まずは書類の正体や量を把握しましょう。一旦ストレージボックスなどに移動させ、書類の監視・収納方法を整理します。書類の選別に欠かせないのが、『書類の鮮度』です。目安となるのは、書類を作成・受け取りした際の日付。

セミナーでは、私たちが普段取り扱っている様々な書類をどう管理し、いつ資源として手放すべきかなどを、保管期間を記した一覧表で詳しく説明。また必要な書類を見つけやすい、便利なファイリングの実例も紹介されました。

残すべき書類には、『日付』や『誰に』『何のために残すのか』を明記する必要性も再認識。リサイクルする書類と残す書類。きちんと向き合うことで、その後の処理もうんと楽になり、家庭内の雑紙を適正に資源化することができるのです。

*3Rポイント④ 書類は鮮度で必要性を判断し、ワンアクションで取り出せる収納を心がける。情報のデータ化(LINE、外付けHD、各種cloud等)も活用し、紙のリデュースも意識する。

片付けた後きれいを維持するキープ術

3Rをベースに片付けた空間を一過性のものとせず、維持し続けるポイントも伺いました。

*3Rポイント⑤ 片付けても、生活を営む限り散らかるものと心得る。また片付けはそもそも時間のかかるもの。人と比べず自分のペースで無理なく向き合う。

*日常の片付けは、1日ごとにリセット、*半年に一度、状態がひどくなる前にモノと向き合う

この2つのルールをベースに家庭内を見直すことで本当に必要なモノを循環させる仕組みを維持することができます。予めスケジューリングするのがオススメです。

参加された皆さんの感想

*ものを購入するときに、少し立ち止まって、その先の先まで考えて購入したいと思います。

*なぜかモノが増え、どこもかしこもごみ部屋状態ですが、今日のセミナーで今の自分に必要かどうか、まずはそこから考えて風通しの良い部屋作りに挑戦してみます。たくさん刺激をいただきました。

*家族にも分かりやすい収納にしようと思いました。

*いつも片付かなくて悶々としていたけれど、今日習ったことをすぐにやってみようと思います。

*子どもの成長にあわせて、今、書類や写真などを見直すタイミングにきています。今回の講座内容が、自分の『今、片付けるモノ』と合致して、とても腑に落ちる内容でした。次回の開催も心待ちにしています。

*どうせきれいに片付けれられないと思いがちでしたが、「人と比べない」という一言で「私は私、これだけ便利になったと思えれば良い」ということに気づかされ、とてもやる気になりました。

*夏休み前で、子どもが自主的に片付けができるようにしたかったのですが、私自身が教えられず困っていました。何から取り組めばよいかイメージが持てました。

*断捨離!とにかく捨てろ!というイメージでしたが、捨てるだけではなく次に使ってもらったり、売ったり、リサイクルするのが良かったです。どうしてももったいない気持ちがあるので。

まとめ

モノに支配されない、モノを管理できる仕組みづくり。一度作ってしまえば、日々の負担は減り、気持ちも随分楽になります。家族の成長に合わせて、必要とするモノは変化するもの。「もっと分かりやすく収納したい」「資源化する動線をシンプルにしたい」…3Rをベースにしたお片付けメソッドで、家庭内の機能性を上げてみませんか?環境に優しいだけでなく、生活の質もアップグレードさせることができますよ。

セミナー当日に配布したアンケート内に記載の、「3Rを活用したお片付けにまつわる質問」について、成田さんから順次ご回答いただき、動画にて掲載しています。詳しくはこちら(暮らし再創作 YouTube)